寒がりですがそれよりもっと靴下嫌いな私、
裸足でそろそろ、いい感じになってきたように思います。
松島彩です。
さて、
『釣りとチャイと愛人と』
一つの作品の本番をこんなにたくさん踏んだのは、
おそらく、この作品が初めてです。
8回目。
この作品。
書いた西藤さんにはおこがましいかもしれませんが、
私の生きていく上での教科書なんじゃないかと思っています。
私は、どうも、
’待つ’
ということが苦手です、というか、出来ません。
行列にも並ばないし、
集合時間にも、ぴったりの時間に行きたい。
早くいって待つ、ということさえもできない。
西藤さんはたぶん、
そんな私を見ていて書いてくれたんじゃないかと、
勝手に思っています。
西藤さんは、
このお芝居をするにあたって、
あまり説明や、お芝居へのダメ出しはしません。
本当なら、言いたいことはたくさんあるのでしょうが、
西藤さんは何も言わない、待ってくれたんです。
それで昨日。
何も言われなかったからこそ、
自分でたどり着けた感情があって。
ラストシーン、
悲しくもなんともないのに、
体はいたってリラックス状態なのに、
勝手に涙があふれてきたんです。
こんな涙が流れたのは、
生まれて初めての感覚。
いったいどんな感情だったのか、
それはまだわたしにはよくわからないのですが、
西藤さんに話してみたら、
「そうなるはずなんだよ、この芝居。悲しくて悲しくてたまらなくなるはずなんだよ」
と言われました。
あ、これは、悲しいという感情なんだ。
すとんと胸に落ちてきました。
自分が気づかないところが、
感じた、悲しさ、それがあふれて、涙として流れる。
それで、
「あなたは今、悲しいんだよ」
と、気づかせてくれた、不思議な感覚。
ひとまず、今日が最後のこの作品。
大切に大切に向き合います。
カマテ カマテ カオラ