365日公演決起座談会


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左から、松浦、駒原、松島、西藤、井上、大原、あきふみ

 

【365日公演決起座談会】
(※あきふみ欠席)

――そもそも「ハタチ族」の皆さんはどんなモチベーションのもとに集まった人たちですか?

松島 西藤将人ですね。

松浦(舞台監督) もう、他にいないです。

内田(座付きスタッフ)前に「お芝居だけで食べていく」って西藤さんが言い切っていて、そこが、いいなあと思ったんですね。

松浦 僕は本業もこういう仕事なので、趣味の延長みたいなものじゃないですか。だから劇団に入るってどうなんだろうって思ったんだけど、でも、この人(西藤)とだったら面白いだろうなと思って。

井上 僕は、今ある生活にいっぱいいっぱいなんです。仕事も家族もそれぞれに大変。でも、ハタチ族を通して出会う人たちのことが、好きなんですよ。だから、ここにいたいなと思うんです。

松島 最初、西藤さんは「東京へ行く」って言ってたんですね。私は東京から帰ってきた身なので、そこには乗れないなあと思っていたら、西藤さんが「東京行くのやめた」「こっちで芝居をやろうと思う」って。それで、私はハタチ族に入ったんです。山陰で、芝居で食ってく。私がやりたかったことの糸口はそれだと思って。

石原(制作)前例がないから、わくわくしちゃいますよね。

松島 いろんな娯楽が東京に集中していて、だからみんな東京を目指すけど、でも楽しいことはどこにでもあるべきだと思うんですよ。芝居をやりたいけど島根にそういう場所がないから、東京へ出ていって、でも何かが違って、心が折れて帰ってきて、芝居なんかもう観たくもない!ってなっちゃう人がいっぱいいるから。それを、ここで食い止めたいんです。

西藤 巡業する劇団にはなりたくないんですよ。ここでしか観られない劇団でありたい。行ったことないんですけど、ディズニーランドが理想だなと思っていて。連日超満員で、すみずみまでエンターテイメントにあふれてて、出し惜しみしないじゃないですか。行ったことないけど(笑)。朝起きて、顔を洗って、仕事をして、普通の生活をしながらも、そこへ行けば必ず楽しいことが待ってる。そういうふうでありたいんです。

 

――いいですね。「生活」と「エンタメ」がそばにある。

西藤 そうなんです。僕らはこっちで、普通に家族を大切にしながら、お芝居をして、それが職業として成立する、というのを証明したいんですね。東京の人たちはたぶん僕らを知らないけれど、でもそここそがチャンスだなと思うんですよ。今のうちに、そういう体制をちゃちゃっと作っておきたくて。

松島 私が東京に出た時は、「親の死に目にはあえない仕事だよ」ってプロダクションの人に言われたんですけど、こっちに帰ってきて西藤さんに「家族とは、ちゃんとした方がいい」って言われて。俳優は、普通の人の気持ちがわからなくちゃいけないって。

駒原 私はたぶん、一番平凡なんですよ。高校で演劇をして、鳥取の大学に行き、帰ってきて、普通に家族と生活して、普通に仕事もあって。できれば、年に3回ぐらい舞台に立てたら幸せだなあと思っていて、今ここにいるんですけど。

 

――ない筋肉を鍛えるのではなく、皆ができることを持ち寄っている感じがします。

西藤 だから(井上)元晴くんには、何っにもさせないです。何の筋肉もないから。

井上 うん、よく言ってくれた!

一同 (笑)

 

――最後に、今のうちに言っておきたいことはありますか。始まってしまったら、たぶん言えないこと。

井上 ここまで来たからには、みんな、最後までやり遂げたいんじゃないかなと思います。もちろん、やったことがないから、やれるかどうかは未知数ですよ。誰もやったことのない、未体験ゾーン。だからまあ……やってみて、どうなるか。ですよね。

松浦 今までの経験からすると、僕は時間がなくなるとすごくイライラしちゃうんですよ。でもおそらく、みんなそうだと思うんですね。みんながすごくピリピリする時がいつか必ずあると思う。そういう時は、自分だけじゃなくてみんなもそうなんだと、お互いに思いあえたらいいね。

大原 とにかく、破綻しないこと、かな。破綻しても続けられる状況を作ること。もちろん、みんなが向かってる方向は同じくしなきゃいけないんだけど、みんなのベクトルが劇団の内に向かってしまうとあんまりよくないと思っていて。だから私はある程度、「ハタチ族」の渦からはうまく距離を取っていけたらと思っていますね。

松島 私は、劇団の将来について大きく考えることができないんですね。やっぱりまだ、自分のことしか考えられない。で、私は「365日公演をやり遂げた」というキャリアがどうしても欲しいんです。2016年を戦っていく上で、確実に武器になるから。だから、2015年12月31日までは全力で頑張る。それ以降のことは、今はまだ何もわからないです。

石原 私は、こういうところで言うべきことかわからないんですけど、すごいビジネスチャンスがここに転がっている、と思っています。そうなるようにしたい、しなくちゃ、と思っていて。それと何より、楽しく生きたいので。大好きな人たちと、大好きなことをして生きていけたらとっても幸せだし、それを続けていくために、何としても頑張りたい。とにかく、この1年ですごく成長したいです。成長します。してやるって思ってます(笑)。

内田 私は、たぶん一番最初に音を上げると思います(笑)。体力も自信ないし、仕事と両立できるか心配だし。

松島 うっちーのそういうとこ、好き。信頼できるわ。

石原 正直だ。

内田 喜んでいいんですよね!

西藤 ダメだろ(笑)。

 

――皆さん、まるで違うことをおっしゃいますね。

石原 「ハタチ族」がなかったら、たぶん仲良くなってなかったであろう人たちの集まりですよね(笑)。

 

――最後に西藤さんから、言い渡しておきたいことはありますか。

西藤 何でしょうね……たぶん、僕となるべく長い時間、一緒にいてくれれば、いろんな奇跡に出会えると思います。奇跡と言っても、うれしいことだけじゃなくて、しんどいこともあるけど。というか、きっとしんどいことの方が多いけど(笑)。でも、そこについては自信があるんだ。頑張らなくてもいいから、とにかく僕と一緒にいてください。そうすればきっと楽しいと思う。それは保証できる。信じて、一緒に、楽しめたらなあと思っています。

【2014/12/19 取材・構成:小川志津子】

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