みなさん、こんにちは。西藤将人です。
2018年。戌年ですね。
「今年はおまえたちの年だぞ」と、道行くワンコに話しかけるとベロだして笑ってた。
雪のなか裸足で駆け回っている姿はなんとも景気よく勇ましい。
2018年、いい年になりそう。

とはいえ新年早々『劇団ハタチ族の、演劇カーニバル2018』の開催が待っている。
師走が終わってもせわしなく大忙し。連日稽古の毎日でした。
演劇カーニバルの前日だって大忙し。
舞台スタッフはホールで仕込み。会場ロビーはマルシェ開催の準備です。
楽しかったのがロビーの飾りつけ。
カーニバル仕様にするべく、ロビーをみんなで大きなすごろくに変身させちゃいました。
当日集まっていただいたお子さん、もちろん大人も一緒になって遊びましたぜ。
ビニールテープと段ボールだけでワクワク空間に様変わり。すごいなー。
UNNANアートスタート実行委員長の須藤和裕さん、ご協力ありがとうございました。


翌日、ついに迎えた演劇カーニバル開催当日。
天気予報は雨。降水確率90パーセント。朝目覚めたときは大雨でした。
でも信じてれば叶うもんで、狼煙を上げるときはピタッと止むんですね。
9:30の木次駅には堂々と狼煙が立ち上っていく姿は圧巻でした。

狼煙が上がっている最中、雲の間から覗き込む太陽を見たとき、
「あー、きっと神様も狼煙を楽しみたかったんだなー」と感じたもんです。
ご協力いただいた金山要害山保存会のみなさま、ありがとうございました。
最高の狼煙でした。

こうして狼煙と同時に幕が上った演劇カーニバル。
9:45には『ローカルジャーナリスト田中輝美とゆく、劇団ハタチ族観劇ツアー木次線の旅』の乗客が
ぞろぞろと会場へ。
輝美さんと乗客のみなさんとの間でどんな会話が繰り広げられたんだろう。気になる……。
どうやらこれがキッカケで初めて木次線に乗車された方もいたみたいだし、嬉しいね。

木次駅では駅長さんから特製缶バッジをプレゼント。駅長さん、すてきっす。

10:00からは1回目の『人生ゲーム』。
ホールに入るとお客さんがいっぱい。増席に増席の超満員。いやー、ありがたい。

いっぱいのお客さんのおかげで上演中も大盛り上がり。
最高のスタートがきれたなーと、一息つく暇もなく次の芝居へ。
11:30からは僕の一人芝居『跳べ、守護神!』です。

『跳べ、守護神!』は昨年11月から大阪と広島、年末には松江で上演してきたけど、
これまでとはまったく違う雰囲気でした。
食い入るように真剣に観てくれてるっっていうか……。
やっぱり雲南のお客さんはおもしろい。うん。

12:00に終演して、次の舞台の『人生ゲーム』まで少し余裕があるからちと休憩。
やっとロビーのマルシェを楽しめます。
そもそも僕が厳選したお店だから僕が一番楽しみたいもんね。
ルンルン気分でロビーに向かうと、やってました『こども劇場』。
おもしろクラブの内田晶子さんと劇団員の大原がチェリヴァホールのロビーで上演。
マルシェを楽しみながら子どもも大人もみんなで演劇観てる。いいね、この感じ。

そうこうしてたらまたまた打ち上がりましたよ、本日2発目の狼煙。
もともとは9:30からの1発だけの予定だったのだけど、
金山要害山保存会さんのみなさんの心意気でもう1発おかわりです。
なんとまぁ景気いいことか。お客さんも大満足の様子。

13:00になり、本日2回目の『人生ゲーム』。
主役のタクオはダブルキャストなので、合田から大原に交代です。

2回目の『人生ゲーム』も満員御礼で無事に終わり、次はまたまた僕の一人芝居。
365日公演中に同じ演目を1日3公演はしたことあったけど、ここからは未知の領域。
しかも違う演目だし、ロビーのことなんかでハードさは比べ物にならんです。
さらにこの一人芝居はとにかく集中力と体力との勝負。
何度やっても終演後はヘロヘロになる演目なのですな。
アドレナリンで空回りしそうになるのをIMAGINE COFFEEさんのカフェラテが落ちつかせてくれます。
リラ~ックス。
さぁ開演時間の15:00になり、パイプ椅子片手に、いざ『one person play』へ。

チェリヴァホールの舞台上舞台と『one person play』の相性はとてもよくて演じやすいのです。
またここで演りたいな。
最近はこうして作品と場所についてよく考える。
今までも考えてたけど、さらに深く考える。考える。考える。
これからも僕はきっと、この場所でしかできないものにこだわっていく気がする。
あ、ここでちょっと寄り道。
演劇カーニバルの本チラシに掲載した僕の挨拶文です
↓↓↓
諸説あるようですが、カーニバルってもともと謝肉祭、
つまり断食前夜“肉に別れを告げる宴”のことだったんですな。
それが転じて今では“バカ騒ぎできる催事”くらい大きな意味で、
カーニバルって言葉がばらまかれちゃってるわけです。
いやはや、これはなんともいただけない。節操がない。
演劇カーニバルは“演劇に別れを告げる宴”なんです。
断食ならぬ、断劇前夜祭。
2019年からはじまる365日公演までの、劇団ハタチ族とみなさんとのサヨナラの祭りです。
当たり前のように丸一日中演劇がやっている。それから食、文化、モノ、街並み、そして木次線。
演劇だけじゃなく、島根雲南にある選りすぐりのもの全部まとめて楽しめる一日。
僕たちの理想とする演劇空間をつくって、全国にむけて演劇の狼煙をあげる。
それが『劇団ハタチ族の、演劇カーニバル2018』です。
祭りのサヨナラはまた会う日まで。
2018年は「島根県雲南市に演劇テーマパークをつくります!」って宣言を全国にばらまきながら
『全都道府県ツアー』にでかけます。
2019年は365日公演っていう日本一のバカ騒ぎを。
いやはや、これはなんともいただけない。節操がない。
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よくぞここまで生意気こと言えたもんだ。
けれど嘘はついてないし、演劇カーニバルは実現できた。
今年は〝全都道府県ツアー〟に加え〝島根県全市町村ツアー〟も笑ってクリアしてみせるし、
2019年の365日公演では、前回の365日公演以上の奇跡を島根雲南でお見せします。
それが僕の生き様で、劇団ハタチ族の表現だから。

2019年の365日公演についてはこちらの新聞に丁寧に掲載されています。
ちなみにこれ号外なんですよ。ふふふ。

さてさて、話は演劇カーニバルにもどります。
とっても賑わったマルシェも16:00にはついに閉店。
みなさま、おつかれさまでした。
そして僕のわがままにお付き合いいただき感謝しています。
どのお店も本当に素晴らしかった。
SUKIMONOさんで念願の一生もののエプロンを購入できました。
うづい通信部さんには古本で知識と教養をもたらしてくれました。
IMAGINE COFFEEさんからコーヒー1杯、カフェラテ3杯ご馳走様でした。
木の花工房さんの桜染めは木次の誇り。
杜パンカフェの黒豆カレーサンドイッチからはマメ(元気)をもらいました。
憩雲さんのグロッキは疲れた身体を癒してくれました。
菜野花さんのお弁当とクッキーは優しさを。
カフェ・オリゼさんのカレーと焼き菓子で刺激と美の感性を。
おっちラボさんからは挑戦する勇気をいただきました。
劇団ハタチ族のお客さんにご紹介出来たことが嬉しいし、
みなさんと一緒に島根で切磋琢磨できることが僕の自慢です。
16:15から本日2回目の『こども劇場』上演。
そして演劇カーニバルの大千穐楽、3回目の『人生ゲーム』へ。

今回の『人生ゲーム』のラストシーンを亀尾さんに書き直してもらいました。
タクオの夢は木次線の運転士。いつまであるかわからない木次線の運転士。
なくなっても困らない人がいて、在り続けなくちゃいけない理由がある。
叶えたい夢、叶うはずのない夢。
僕の前に道があるのかないのか、それはわからない。
だけど、毎日背筋伸ばして出発進行。仲間と一緒に笑って駆け抜けよう。
そんなことを感じた、僕たち劇団ハタチ族の『人生ゲーム』でした。

もし『人生ゲーム』で木次線に興味をもたれた方にお知らせです。
2月11日(日)チェリヴァホールにて『木次線沿線の魅力大発表会』が開催されます。
10組の団体が取り組みと想いを発表して、会場賞をみんなの投票で決定するんだってさ。
沿線のお店によるお飲み物やお菓子や鉄道グッズも販売予定で、
木次線の新しい駅弁の試作品も登場!っていうなんとも楽しそうなイベントです。
是非ともご参加くださいな。
詳しくはこちらね。
https://www.facebook.com/events/1578903735500086/

『劇団ハタチ族の演劇カーニバル2018』は、いつものようにたくさんの方々に応援していただきました。
当日手伝ってくれたスタッフの大介、こまちゃん、板垣、いくさん、かっぱさん、一太くん、ゆっちゃん、七子さん、早紀ちゃん、深田。戯曲を提供してくれた樋口さんと土橋さん。衣装協力の笠江さん。大道具製作のチャーリー。写真撮影の齋藤さん。イラスト協力の鳫金さん。広報のさかっち。ローカルジャーナリストの輝美さん。デザイナーの安田さん。人生ゲームの音楽を提供してくれた小林さん。三刀屋高校演劇部のみんな。木次線のみなさん。チェリヴァホールのみなさん。八日市交流センターさん。劇団ハタチ族応援団の皆様。雲南市の皆様。そしてご来場いただいたたくさんのお客様。
あまりにたくさんで書ききれないです。本当にありがとうございました。

ここからは劇団員へ。
合田は新人として難しい部分もあっただろうけど、よく頑張った。
元晴はきっとこれからも悩みながら演劇やっていくんだろう。それでいい。
まっつんは相変わらず頼りになる。でもできればもっと一緒に舞台で遊ぼうぜ。
うっちー、もっともっとできるんだぞ。満足するな。アンテナ張れ。自信もってけ。
あきふみさん、おつかれさま。舞台上では誰よりも信頼できるよ。舞台上ではね。
大原さんは照明から演出からこども劇場に人生ゲーム。たいしたもんです。
劇団員じゃないけど亀尾さん。楽屋でのヘトヘトな姿、かっこいいっす。

終演後はお客さんもマルシェの方もみんなで乾杯。
生まれた土地も育った環境もまったく違う人同士が、一緒に演劇観て一緒に笑ってる。
舞台の上に立つ人とかお客さんとか、どんな立場も関係ない。
すげー、美しい光景だった。

僕は雲南で生まれ育ったわけじゃないし簡単に〝まちづくり〟なんて言えないけど、
きっと〝人繋がり〟はできるんじゃないかな。
だってそれが演劇だもんね。

“島根雲南でしかできない演劇の奇跡を再び”劇団ハタチ族の合言葉です。
叶うかどうかもわからない、そんな夢にもう少しだけお付き合いいただければ幸いです。
劇団ハタチ族 代表 西藤将人
