演劇ツアーの可能性を巡って—
『集まると使える』刊行記念トーク雲南編
羽鳥嘉郎(演出家)×西藤将人(劇団ハタチ族 代表)×岸井大輔(劇作家)
「まちづくり」や「アートイベント」、それに伴う場づくりは2010年代になって急に増えたようにみえるけれど、その芽は80年代に演劇と政治を巡るいろいろな活動の中で育まれていました。
昨年、当時28歳の演出家羽鳥嘉郎は、自分が生まれていない80年代の演劇と政治を巡る日本における発言を発掘し、本を編み刊行しましました。それが『集まると使える』です。この本で扱われている考えは現在とつなげて検討される必要があるのではないか。著者の羽鳥は全都道府県を回るトークイベントツアーを進めており、島根県編として雲南でのトークイベントを企画しました。
というのは、雲南には、365日公演のチェリヴァホールがあり、それを中心となり成し遂げ、全県ツアーを実現した劇団ハタチ族の西藤さんがいるからです。
人間が直接集まらなければ始まらない演劇は、昔から首都を経由しない他地域とのネットワークや、利害を超えた場所作りと関係してきました。21世紀も中盤に差し掛かる今日、それはどのような姿をとるのか、現場で検討したいと思います。司会は、全国を回りながらかきつづける劇作家の岸井大輔です。
◆日時
2019年4月14日(日) 16:00start 18:00close
※開場は開演の30分前
※終演後に交流会あり
※当日会場にて本の割引販売あり
◆会場
三日市ラボ
〒699-1332 島根県雲南市木次町木次29
TEL:0854-47-7373
◆参加費
1,000円
※定員20名・要予約・立ち見あり
◆予約・問合せ
saha.library@gmail.com
【登壇者プロフィール】
羽鳥嘉郎/演出家。1989年ブリュッセル生まれ。2009年より「けのび」代表。京都国際舞台芸術祭 KYOTO EXPERIMENT フリンジ企画「使えるプログラム」ディレクター(2013-2014年度)。TPAM – 国際舞台芸術ミーティング in 横浜 アシスタント・ディレクター(2014-2017年度)。「使えるプログラム」の運営を担った89年生まれの人々を中心に「サハ」を結成、2018年度より「演劇エリートスクール」を企画・運営。立教大学現代心理学部映像身体学科兼任講師。
西藤将人/劇団ハタチ族代表。1983年生まれ。2013年“劇団ハタチ族”を旗揚げ。2015年、前代未聞である『365日公演』を島根県雲南市で達成。観客が0になったらチャレンジ終了というルールのなか、他団体の公演の招致・応援をおこないながら自らも舞台に立ち続ける。大晦日の大千穐楽にはチェリヴァホール465席満席をこえる527人を動員した。現在は雲南市を拠点に全国で活動。演劇を用いてコミュニケーションや殺陣のワークショップもおこなっている。演劇以外にも『西藤将人の、マンデーワンマンSHOW!!』を不定期に開催中。2018年、全国47都道府県ワンマンツアー達成。2019年、島根全19市町村ワンマンツアー。そして2020年元日、365日公演を再び決行。島根県雲南市で“演劇テーマパーク”実現を目標に掲げている。
岸井大輔/劇作家。1970年生。他ジャンルで遂行された形式化が演劇でも可能かを問う作品群を発表している。代表作「potalive」「東京の条件」「好きにやることの喜劇(コメディー)」「始末をかく」。近年では、戯曲の概念をplayの対象と定義しなおす、ポストコンテンポラリーアートを提唱している。2019年にPLAYSandWORKS旗上げ。
【書籍情報】
羽鳥嘉郎 編『集まると使える—80年代 運動の中の演劇と演劇の中の運動』
価格:¥ 2,300 +税
ISBN 978-4-907239-37-4
出版社:ころから株式会社
編集協力:サハ
http://korocolor.com/book/atsumarutotsukaeru.html